萩野 弘巳 氏(元NHK欧州(パリ)総局長、東海大学・シーボルト大学教授)
第二次世界大戦の終期ベルリンは連合国軍に占領され、独裁者ヒトラーは行方不明になっているとき、ノルウェーのオスロー*1からドイツ軍の高官とその情婦、情婦の夫、ナチス親衛隊の指導者とその子分のならず者、その他戦争中はドイツ軍の手先・協力者として旨い汁を吸った実業家などの一団がドイツの潜水艦(Uボート=ウンターゼーボート)に乗って、南米ブラジル*2目指して出航する。途中艦内で怪我人が出て、治療のため、フランス海岸のロワイヤン*3に立ち寄り、フランス人医師を拉致する。Uボートは漸く南米海岸に近づくが、そこに配備していた諜報員はドイツ降伏の報にいち早く逃亡し、また諜報員の世話をしてきた対独協力のブラジル人商人は、言を左右にして協力を渋る。最も強硬派の親衛隊隊長は商人を殺して一行はなおも海上を彷徨い続け、ついに味方ドイツの補給船から燃料の補給を受けながら、ドイツ降伏の現実を受け入れているこの補給船を砲撃・撃沈するという狂気に走る‥。
<タイムテーブル>
18:00
開会
18:10-19:45
DVD上映「海の牙 -Les Maudits[呪われた人々]」
1946年制作,フランス作品,モノクロ・日本語字幕付,95分
監督:ルネ・クレマン
出演:マルセル・ダリオ、アンリ・ヴィダル、ミシェル・オークレール他
19:50-20:20
講 演 萩野 弘巳 氏(元NHK欧州(パリ)総局長、東海大学・シーボルト大学教授)
20:20-20:50
懇親会
*1:ノルウェーは大戦中北欧唯一のドイツの同盟国。
*2:ブラジルはドイツ系移民が多く、戦後もナチス党員の隠れ家となった。
*3:ロワイヤンはジロンド河口北岸の港町で、自由フランス(対独協力)領。