萩野弘巳
主 催:財団法人日仏会館/日仏メディア交流協会
協 賛:アイ・ヴィー・シー/エモア
参加費:主催団体の会員無料(非会員:講演・懇親会費用として、一般1000円、学生500円)
18:00 開会
18:10-19:36 DVD上映「禁じられた遊び」(Jeux interdits)
1952年制作 ルネ・クレマン監督作品(モノクロ)日本語字幕つき
脚本:ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト、フランソワ・ボワイエ
音楽:ナルシソ・イエペス(ギター名曲)
19:45-20:20 講 演(萩野弘巳氏)と討論(フロアー一般参加者)
20:30-21:00 懇親会
「禁じられた遊び」の謎:この作品は自国カンヌの映画祭で上映を拒否されたが、ヴェネチアでは「金獅子賞」を得たのを始め、アカデミー最優秀外国語映画賞」など、世界的な称賛を得た。自国フランスでの不評は何故か。クレマンは既に「鉄路の戦い」「海の牙」等で名声が確立し、その後も「太陽がいっぱい」など名画をつくり続けたのだが。
この映画の主役は五才の、ドイツ軍の空襲で突然孤児になった少女を演じるブリジット ・フォセー、彼女の世話をしているうちにその“恋人”となる十一才の少年ポール・ベルトランが迫真の演技を見せる。ブリジットは本当に可愛いのだが、その甘えやわがままは大人の女性のもの。またポールは素直で働き者の賢い少年だが、心から孤児の少女に同情して、父や姉、司祭たちも裏切って少女の味方になる。彼らは一般の大人以上の個性を発揮する。その純粋さは心をうつ。対照的に村人たちや司祭はカリカチュア化されている。これらの豊かな問題性を、講演というより討論として話を盛り上げたい。