金澤正剛 (音楽学・国際基督教大学名誉教授)
会場 | 501会議室 |
定員 | 20 |
参加費 | 日仏会館会員: 6.000円、一般: 8.000円 |
事前登録 | 要 |
主催 | (公財)日仏会館 |
フランス語の歌詞による歌曲を一般にシャンソンと呼ぶが、その特徴は時代によってかなり異なる。そのようなシャンソンの変遷を、時代を追いながらたどってみたい。具体的には第1回で、現存する最初のフランス歌曲である中世騎士たちの単旋律歌曲から、それが次第に貴族社会から富裕商人層へと伝わり、一方ではポリフォニーの発達によって複雑な様式を取るに至った過程を、第2回では中世が終わり、より現実的な性格を持つ歌曲へと発展し、ポリフォニーによるシャンソンの最盛期を迎えるまでの過程を、第3回では新しい時代様式の出現によって、伴奏を伴う独唱曲としてのシャンソンの発展を、そして最終回ではフランス革命から今日に至るシャンソンの代表的な作品を聴きながら、戦前に流行したポピュラー・シャンソンとその影響をも含めて通観してみたい。
第1回(2月3日(水)):中世のフランス歌曲
13世紀以前のフランス歌曲の歴史。南仏のトルバドゥールと北仏のトルヴェール、その背景と代表的な歌曲。更にジョングルールやメネストリエとの関係。そして14世紀のアルス・ノヴァの歌曲。
第2回(2月10日(水)):中世末期からルネサンス期のフランス歌曲
アルス・スブティリオールからルネサンスへの移行の歴史。ルネサンス初期のデュファイやバンショワのシャンソンに始まり、ジョスカン・デ・プレ時代のシャンソン、そしてその後に起こったバリ・シャンソンの流行など。
第3回(2月17日(水)):ブルボン王朝のシャンソン
17~18世紀のフランス歌曲の歴史。アンリ4世時代に始まるエール・ド・クールの黄金時代、そしてその後を継いでのクープランやラモーらの歌曲について。
第4回(2月24日(水)):フランス革命後のフランス歌曲
19世紀以後のフランス歌曲の歴史。ベルリオーズニ始まり、マスネ、ドビュッシー、ラヴェル、サティ、プーランクから、メシアン、デュテーユに至る歌曲の代表的作品の概観。
金澤正剛(かなざわまさかた)
1934年東京生まれ。1957年に国際基督教大学教養学部を卒業。1966年にハーヴァード大学大学院博士課程を終了(音楽学)。同年帰国後、複数の大学で非常勤講師、ハーヴァード大学イタリアルネサンス研究所(フィレンツェ)の研究員、アンティオーク大学及びアールハム大学の客員教授などを務める。1982年に国際基督教大学教授に就任、同大学宗教音楽センター所長を兼ね、2004年に定年退職後、名誉教授。現在日本リュート協会、日本イタリア古楽協会、日本ヘンデル協会等の会長。著書『モンテカシノ音楽手稿譜第871号』( 1978、共著、英文)で1980年度 ASCAP賞を、『古楽のすすめ』で1998年日本ミュージック・ペン・クラブ大賞を受賞。他に『中世音楽の精神史』、『キリスト教音楽の歴史』などの著書がある。 Ph. D.(音楽史専攻)。