対談者 坂田雅子(監督、日仏薬学会)、加藤登紀子(歌手) 司会 服部英二(元ユネスコ首席広報官、地球システム・倫理学会) 開会の辞 近藤誠一(地球システム・倫理学会会長) 閉会の辞 市川 厚(日仏薬学会会長)
18:00 開会の辞と上映
開会の辞 近藤誠一(地球システム・倫理学会会長)
司会 服部英二(元ユネスコ主席広報官)
映画上映
19:50 トーク
坂田雅子(監督)
加藤登紀子(ゲスト、ナレーター)
20:30 閉会の辞
市川 厚(日仏薬学会会長)
20:30~21:00
懇親会
「沈黙の春」(Silent Spring:1962年、レイチェル・カーソン著)
カーソンは米国の生物学者、1960年代に農薬などの化学物質による自然環境汚染の重大性について、“春が来たのに、いつも咲く花が咲かない、いつもの鳥の鳴き声が聞けない、沈黙(死滅)した野生となった”で化学汚染リスクを最初に警告を発した。
「沈黙の春を生きて」(Living the Silent Spring、坂田雅子監督、2011年)
前作「花はどこへいった」でベトナムの枯れ葉剤被害の実態に触れた私は、戦後35年たったいまも、被害はアメリカ帰還兵にも拡がっている事を知り、渡米した。そこで出逢ったのは私と同様に帰還兵を夫に持った未亡人やその子供たちだった。戦争の痕跡は当時生まれてさえいなかった子供たちに、国境を越えて残る。 50年前の警告は聞かれなかったのだ。未来の世代に再び負の遺産を残さないように、いま私たちに何ができるのだろう。
「開催にあたって」(日仏薬学会、地球システム・倫理学会)
現代は、環境破壊による気候変動や農薬汚染、放射能汚染などの問題が山積している。人類が自然を征服しようとしてきた行為のつけが大きな負の遺産となっている。日仏薬学会は農薬・放射能による健康障害に強い関心を有し、環境問題の先進国であるフランス、イギリス、ドイツの国策や取り組みを学習している。本映画は、会員である映画監督の坂田雅子氏による、レーチェル・カーソン著「沈黙の春」の現代版作品で、ベトナム戦争時の枯葉剤(農薬)被害が世代・国家を超えて受け継がれる実態を憂いたものであり、仏・ヴァレンシエンヌ映画祭にて批評家賞・観客賞をダブル受賞したほか、文化庁映画賞・文化記録映画部門賞にも選出されている。監督と加藤登紀子氏の対談、地球と人類の未来を考える開かれた学会「地球システム・倫理学会」との共催を通して、地球規模の健康・医療・倫理を考える一助になればと願う。
日仏薬学会:1972年創立。日仏会館を拠点として「薬」に関する情報発信、日仏薬学研究者,薬剤師の科学,技術の交流を目的とした学術団体。連絡先(日仏薬学会事務局長 荒野あぐり(このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)
地球システム・倫理学会: 2006年創立。 地球温暖化をはじめとする環境問題、生物種の絶滅などの生態系の危機、核兵器や生命操作などの科学技術による文明の歪み、宗教対立によるテロや暴力の発生など、地球的問題群の解決に向かって、その原因、解決方法を総合的、学際的、倫理的、行動的に究明、共有、協働することを目的に活動。
坂田雅子監督 プロフィル
ドキュメンタリー映画監督。1948年、長野県生まれ。65年から66年、AFS交換留学生として米国メイン州の高校に学ぶ。帰国後、京都大学文学部哲学科で社会学を専攻。76年から2008年まで写真通信社に勤務および経営。2003年のグレッグの死をきっかけに、枯葉剤についての映画製作を決意。04年から06年、ベトナムと米国で取材を行い、枯葉剤の被害者やその家族、ベトナム帰還兵、科学者等にインタビュー取材を行う。2007年、坂田雅子製作・監督・撮影・編集で、映画『花はどこへいった』(英語タイトル『Agent Orange -a personal requiem-』)を完成させる。本作は毎日ドキュメンタリー賞、パリ国際映画祭特別賞、アースビジョン審査員賞などを受賞。2011年、NHKのETV特集「枯れ葉剤の傷痕をみつめて~アメリカ・ベトナム次世代からの問いかけ~」を製作し、ギャラクシー賞、他を受賞。同年2作目となる「沈黙の春を生きて」を発表。仏・ヴァレンシエンヌ映画祭にて批評家賞・観客賞をダブル受賞したほか、文化庁映画賞、文化記録映画部門優秀賞にも選出された。2011年3月に起こった福島第一原発の事故後から、大国の核実験により翻弄された人々を世界各地に訪ね、取材を始める。2014年、それらをまとめ、「わたしの、終わらない旅」として発表している。( 最新作「モルゲン、明日(あした)」パンフレットより)
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