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(人文社会系セミナー)19-20世紀の歴史家たちのネーション観

講師 ジェラール・ノワリエル(社会科学高等研究院) 討論者 太田悠介(一橋大学) 司会 大中一彌(法政大学)

“イベント詳細”

2017-06-15(木) 18:30 - 20:30
会場
501会議室
東京都渋谷区恵比寿3-9-25 渋谷区, 東京都 150-0013 Japan
501会議室
定員 40
参加費 無料
事前登録 満席になりましたので締め切りました。
言語 フランス語
主催 (公財)日仏会館、日仏会館フランス事務所

本講演でははじめに、18世紀のヨーロッパで「ネーション(国民)」の概念がどのように成立したかを跡づける。1789年に始まる大革命で支配的になったネーションの「フランス的」定義は、人民主権こそネーションの基盤だとする社会的基準を強調した。それに対し、ネーションの「ドイツ的」定義は、国民と外国人の区別を可能にする言語などの文化的基準を特権化した。次に私は、これら二つのネーションの定義が19世紀はじめになって融合し、こんにち国際法で定着している「国籍」概念を生むにいたったことを示す。続いて、ジュール・ミシュレからフェルナン・ブローデルにいたるフランスの歴史家たちの言説における「ナショナル・アイデンティティ」の問題をとりあげる。国民的同一性という問題の立て方では、なぜこんにち我々が生きている多文化社会の複雑な現実を正確に把握することができないことを説明しようと思う。

 

 

 

ジェラール・ノワリエル

1950年、ナンシーに生まれる。歴史学アグレジェ、文学博士。パリ高等師範学校教授(1986年〜1994年)。国立社会科学高等研究院研究ディレクター(1994年から)。プリンストン大学高等研究院会会員。学術誌Genèses. Science sociales et Histoire共同創立者・編集委員

 

 

 

6月14日(水)18時30分より日仏会館ホールにて「歴史学の社会的機能」と題したノワリエル氏の講演が開催されます。詳細は日仏会館フランス事務所ウェブサイト www.mfj.gr.jpをご覧下さい。