シンポジウム・デバ

(日仏シンポジウム) 対論「文化の三角測量、クロード・レヴィ=ストロース、日本」

川田順造(東京外国語大学名誉教授、神奈川大学特別招聘教授、同大学日本常民文化研究所客員研究員)、フランソワ・ラプランチーヌ(リヨン第二リュミエール大学名誉教授) 司会 三浦信孝(中央大学教授)

“イベント詳細”

2013-05-16(木) 18:00
会場
日仏会館ホール
東京都渋谷区恵比寿3-9-25 渋谷区, 東京都 150-0013 Japan
日仏会館ホール

参加費: 無料

【詳細お問い合わせ先】 国際人類学フォーラム(FIA)東京大会事務局 〒221-8686神奈川県横浜市神奈川区六角橋3-27-1 神奈川大学日本常民文化研究所内 Tel: 045-481-5661(内線4000)(担当 林 祐子)

 

文化人類学はイギリス、フランスをはじめ海外に植民地をもち、いち早く「近代化」を遂げた西洋の「文明国」で発達した学問である。文明の中心が周辺の未開文化を研究する西洋中心的人類学に異を唱え、「非ヘゲモニー的人類学Anthropologie non hégémonique」を掲げる人類学者国際フォーラムForum international des anthropologues (FIA) の東京シンポジウムが、日仏会館で開かれる。その前夜行事として、日本の川田順造とフランスのフランソワ・ラプランチーヌが、シンポジウムのテーマである「文化の三角測量」について討議する。

「文化の三角測量triangulation des cultures」は、日本の民俗学的研究から出発し、フランスで人類学とアフリカ研究を学び、フランス諸地方の伝統的職人と、西アフリカとくにブルキナファソの旧モシ王国について、長年現地研究をした川田が唱えて来た文化研究の方法である。対比的な二文化の比較に、全く異なる第三の文化を加えることにより、研究者自身の視点を是正し、それぞれの文化の隠れた性質を立体的に浮き彫りにすることを目指す。他方、哲学から人類学に転じたラプランチーヌは、クロード・レヴィ=ストロースの構造人類学anthropologie structuraleに対し、人類学に「主体sujet」概念を復活させ、エスノ精神分析学ethnopsychanalyseを起点に 「感覚的なものの人類学anthropologie du sensible」を開拓してきた。主たるフィールドはブラジルだが、最近では日本と中国に滞在した印象をもとに「文化の四角測量」の可能性を示唆している。

本対談では、川田が翻訳しラプランチーヌが書評を書いているレヴィ=ストロースの死後出版L'autre face de la lune. Écrits sur le Japon, Seuil, 2011(『月の向こう側 日本について』中央公論新社、2014年発売予定)を媒介項に、両者の「文化の三角測量」観を突き合わせ、内dedansと外dehorsから日本についての視線を交叉させる。